その誕生の背景には、中生品種の「コシヒカリ」に作付けが集中していたという、富山の稲作事情があります。大規模経営体における作業の分散・低コスト化を図るためには、早生(わせ)・中生(なかて)・晩生(おくて)のバランスのとれた作付けに改善することが必要でした。そのため、成熟期が「コシヒカリ」より遅く、高品質で食味も良く、直播栽培にも適した優れた晩生品種の育成に取り組んできたのです。
そうして生まれた「てんこもり」の成熟期は「コシヒカリ」より7日ほど遅く、収量は「コシヒカリ」より高く、品質は「コシヒカリ」より安定しています。食味も「コシヒカリ」と同じほど美味しく、ツヤツヤのご飯に炊き上がるのが特徴です。
外観品質
「てんこもり」は、成熟期が遅いため、高温登熟も回避でき、「コシヒカリ」よりも安定して品質が良くなります。
稲株
「てんこもり」(富山67号)は、「コシヒカリ」より稈長が10cm程度短く、倒れにくい品種です。 また、穂数が確保しやすく、収量性も優れています。
「てんこもり」という名は、富山のブランド米として 評価の高い「てんたかく」とのシリーズになる名称として名付けられました。"てん"つながりでもあります。また、名前自体が食欲をそそるのも魅力。その名を耳にするだけで、「てんこもり」をたくさん食べたくなってきますね。さらに、その名前には、1粒1粒に富山のきれいな水や肥沃な大地、作り手の情熱などが詰め込まれていると思わせる力もあります。
実際に口にした人からは「粒がしっかりしていて美味しい」「粒がつやつやしていて、きれい」「甘くて食べごたえがある」と評判も上々。
「コシヒカリ」や「てんたかく」とともに、富山のブランド米として広まっていくことを期待してください。