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富山県の食料自給率

富山県の食料自給率

食料自給率の推移

 国内の食料消費は、国内の農業生産でどの程度まかなえているのでしょうか。その指標となるのが、食料自給率です。
国内のカロリーベースの食料自給率は、昭和40年度(1965)には73%でしたが、それ以降長期的に低下し、平成22年度(2010)には39%という深刻な状況にまで落ち込んでいます。ほとんどの食料を輸入に頼っているのが原因で、この数値は先進国の中で最も低い水準に値します。特に米の1人1年あたりの消費量は、昭和37年(1962)には118kgでしたが、平成23年(2010)には57.8kgと半分以上も減少しています。その原因は、輸入に頼ることの多い畜産物や油脂類の消費が大幅に増加したことによるものと考えられています。また、日本人の食生活やライフスタイルの変化もさらなる減少を招きました。パンやパスタ等の麺類を好むこと、共働き家庭等の理由で炊きあがるまでに時間がかかる米の調理が敬遠される傾向にあることが要因と考えられています。
 ただ、全国値を上回っているのが、北陸三県の食料自給率です。なかでも富山県の食料自給率は、平成21年には77%と高水準をマークしました。その秘密は、米。国内で自給可能な米が、全体の自給率を引き上げているのです。特に富山県は米の自給率が高いのが特徴。とはいえ、品目別では野菜や畜産の消費量が低く、残念ながら全体の消費量は減少しています。

あさごはん食べよう運動

 食料自給率の向上のためには、お米の消費量を上げることが重要。北陸農政局では、米の消費拡大を重点施策のひとつとして、朝食の大切さを啓蒙する「めざましごはんキャンペーン」を平成19年(2007)から実施しています。他にも、ご当地丼の開発や、学校給食への米飯拡大と米粉パンの導入、お米を使ったイベントや料理教室など、様々な形でお米の魅力を発信しています。また国では、農業の第6次産業化※1の推進、戸別所得補償制度※2の実行によって、農業の推進とともに自給率の向上を目指しています。
自給率アップのために、私たち一人ひとりが家庭で気軽にできることもあります。お米をたくさん食べることはもちろん、米粉の活用や米粉の製品を積極的に取り入れられてはいかがでしょうか。そうした行為が、自給率の向上につながっていきます。お米や米粉を使って家庭で簡単にパンを作れるパン焼き機も発売されているので、気軽に米粉パンづくりを楽しんでみるのもおすすめです。(2012年10月)
(写真:JAとやま女性部による「朝ごはん食べよう運動」2011年)

※1 農業の第6次産業化:農家が農産物を生産するだけでなく、それを加工・販売するところまで視野に入れた多角的な事業展開を目指すもの。
第6次産業とは、1(第1次産業)+2(第2次産業)+3(第3次産業)=6よりもじられた造語。

※2 戸別所得補償精度:農家を保護するために政府が農家に対して所得を補償する制度。農産物(特にお米)の販売価格が標準的な価格より下がった場合にも、販売価格と標準的な価格との差額が支給される。

北陸地域の供給熱量ベース食料自給率

食料自給率

(資料:北陸農政局において試算)

県別の農業産出額の動向

食料自給率

資料:農林水産省「生産農業所得統計」